2017-04-12 お城の桜 小さなお城の堀のまわりに 桜が綺麗に咲き誇っている お城で暮らすお姫様は どんな気分で見ていたのだろう「お姫様になりたい」と言って街を飛び出した彼女を反対するでもなくただ黙って見ているだけだった「お姫様になんかなれないよ」とも「私がお姫様になりたいの」とも言えなかったあの日彼女とはもう会えないと知った不甲斐ない自分に嫌気がさして桜の木を切り倒そうと考えただけど咲き誇る桜を見てただただ涙がこぼれるだけだった庭師になって桜の木を綺麗にしたいいつか誇りを持てるように「水面に映る桜が綺麗ですよ、お姫様」なんて、届かない声で呟きながら